興奮 (2013/8/29)

文字数 419文字

1965年発表 1976年ハヤカワミステリー文庫
著者:ディック・フランシス  訳:菊池光



世に「競馬ミステリー」というジャンルがある。
言葉を換えれば英国王室御用達騎手であったディック・フランシスの
長大なシリーズそのものといってもよい。
競馬ファンとは程遠い身としては、その真髄を理解できないかというと
そんなことは決してない。
毎回手を換えた競馬ミステリーを楽しむことができる・・・・
イージイリーディングとしては最適のシリーズだ。

本作は競馬テーマの3作目。
英国障害競馬レースで不正が行われているが証拠がつかめない。
そこで雇われたのがオーストラリアで牧場経営者の主人公。
一介の馬丁に扮しての潜入捜査がストーリーの幹。
そして競馬ミステリーならではの、調教、レースの詳細も描かれている。

英国伝統の探偵ストーリーにアクションと競馬を注ぎ込んだ
シリーズの中でも白眉と称せられる名作だ。
今読み返してもまったく時代の違和感もなし、名作とはそのようなものだろう。
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