ユリゴコロ (2017/8/12)

文字数 555文字

2011年3月20日第1刷発行 2012年1月25日 第12刷発行
著者:沼田まほかる
双葉社



今秋の邦画は「まほかるブーム」の再来になりそうだ。
9月23日に吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチ出演で本作「ユリゴコロ (2011年)」が、
10月28日に蒼井優、阿部サラダ、松坂桃李(!)、竹野内豊で「彼女がその名を知らない鳥たち(2006年)」が公開される。

本作が大藪晴彦受賞したのをきっかけに当時今まで無名だった既刊書が爆発的に売れ出し「まほかるブーム」と呼ばれた、
・・・ということを僕は全く知らなかった。
今回のシネマ化、それも立て続けの異常事態に、そんな原作ならばチェックしなければと思い立った次第だった。
シネマから小説に入ることもまれにだけどある、こんな感じで。

そして本作、シリアルキラーの女性とその夫、そして二人の息子のホラー風味のサスペンスのかたちをとった家族愛の物語だった。
本作が大ヒットした要因(であろうと推察する)サプライズが後半に複層的に仕掛けられているのでネタバレすることはしない。
前半のシリアルキラーの告白メモの内容は僕の気持ちをへこますに十分な悪意に満ちている。
そしてわかりやすいほどの大団円に、それまでの鬱積した想いが一気に解消される。
なるほどこんな小説もいいものだという素直な感想になった。
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