ランチのアッコちゃん (2014/1/31)

文字数 554文字

2003年4月初版、6月第7版
双葉社
著者:柚木麻子



先週読んだ著者の「あまからカルテット」にいたく感動して
代表作と言われている本書を入手した。
ちなみに、本書は現在売り切れ中、おそらくは文庫準備中なのだろう、中古書しかなかった。
短編連作手法は柚木さんのスタイルなのだろうが、
「あまから・・・」とは一味違う連作形式だった。
★ランチのアッコちゃん
★夜食のアッコちゃん
★夜の大捜査先生
★ゆとりのビアガーデン
この4連作の最初の2作は「アッコちゃん」の名前があるとおり、聡明でガッツのあるアッコちゃんの物語だ。
大柄で男っぽく、リーダーシップがあるところから「和田アキ子」をもじったニックネームになっているが、実はなかなかの美人らしい。
残りの2作にもこのアッコちゃんがカメオ出演している、なかなかしゃれた構成になっている。
このあたりの楽屋落ち手法は、一歩間違えると小説そのものの品位を貶めるリスクがあるのだが、その懸念もまったくない。
それは、柚木さんの描く女性像があまりにもキラキラ輝き
内面外面双方から読者を魅了していくから。
ちょっと不満があるとすれば、登場する男性たちがいくぶん陳腐なところだが、
魅力的な女性たちの活躍にそんなことも気にならない。
コロコロと笑いながら,しっとりと哀感も催させる小説、心から降参してしまった。



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