ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? (2014/8/2)

文字数 714文字

2014年6月25日発行
著者:ダニエル・カーネマン  訳:村井章子
ハヤカワノンフィクション文庫



アダム・スミス、フロイトの著作に仇敵する 来る世紀の新たな古典
・・・・という推薦文章は大いに魅力的でした。
著者カーネマンは2002年ノ―ベル経済学賞を受賞しているのもミーハーな自分には
バイアスがかかったのでした。
カーネマン氏は本来心理学者ですが、意思決定モデル「プロスペクト理論」を今注目の行動経済学に組み込んだ功績での受賞でした。

本書の巻末にはノーベル賞受賞対象となった論文2編が掲載されています。
こちらは想像したよりも短く簡潔ではあるのですが、いくら読んでも理解できないという
専門書形式です。
翻って、本書は一般人にも分かるように噛み砕いた丁寧な説明と、多くの実験例が親切に掲載されています。(という著者の意見です)
噛み砕かれても理解しがたい専門用語、論理のデフィニッションなどには正直手強さを覚えました。

毎日僕は、意識せずに何千何万の決定をしているわけですが、
FAST思考は無意識反応で、決定のほとんどをこなしているとのこと。
かなりトンチンカンな決定がここでは行われているらしい。
逆に考えると、このような無意識の決定を意図的に誘発する質問や問題提起もできるということです。
「オレオレ詐欺」はこの典型なのかと思ったりしました。
FAST思考を補助し修正していくのがSLOW思考ですが、これはもともと怠け者で、動いた場合でも正確さに欠けるのだそうです。
とはいえFAST思考に任せっきりでは心もとないのです。
ゆっくりと(SLOWに)いろいろな情報を探して比較して考察すること、
そのための知性と教養も必要だと今更ながら痛感し、反省しました。
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