世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析 (2014/5/3)

文字数 537文字

2012年6月初版、2013年11月第6版
著者:斎藤環
角川書店



出版界では「精神分析論」は一つの鉱脈だと思う。
かく申す僕もこの種の書籍は嫌いでない。
特に、日本人論に絡まってきたり、トレンドの臭いがすると
あっという間に手を出してしまう。
本書もなんと2年で第6版になってる。

最近「ヤンキー」というキーワードがいろんなところで目に付くようになってきた。
仕掛け人はどうやら本書著者、斎藤環さんのようだ。
精神分析医が書く当節日本人論と言えば、
岸田秀さんの「ものぐさ精神分析(1978年)」が強烈な印象があった、
さて「ヤンキー」はどうだったか?

著者は世間にはオタク研究家との認識があるようだが、
コミック、、アニメには深い興味があるようだ。
この領域は僕には未開大陸に近いため、本書の論旨に不明にならざるを得ない場面が多かった。
しかしながら、「ヤンキー」をアメリカとの屈折した関係、ジェンダー、芸能界、お笑い界、
など わかりやすいトピックスから切り開いていく手法は今様である。
本質欠如,換喩としての存在、気合が一番、そしてパロディの繰り返しという論点が
「今の政権リーダー」と符合する。
僕が安心したのは、僕自身は「ヤンキー」なる精神構造からはかけ離れているということだ(・・・だといいのだが)。
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