何もかも憂鬱な夜に (2018/2/17)

文字数 442文字

2012年2月25日 第1刷 2017年11月21日第18刷
著者:中村文則
集英社文庫



引き続き、中村文則をキャッチアップ中。
タイトル通り、読んでいて憂鬱になってくる。
人生に憂鬱にならないと作家にはなれないのだろう、本作はかなりの密度で著者本人の体験が盛り込まれている。
一人称の語り手は施設出身の刑務官、規律の緩い拘置所で死刑囚と向き合おうとする。
親友の自殺、恋人との別れ、仕事に対する不信などを抱えた日々が鬱陶しく続く。
能天気な僕は、主人公の悩む姿を身近に感じることなく読む終える。

ところがそうでない人は大勢いるようだ、
帯の宣伝コピーにも顔出ししている又吉直樹さんは「解説」の中で以下のように共感する:
《 生きていると苦しいことはある。今後も何もかも憂鬱な夜はやってくるかもしれない。
  だが、必ず目覚めよと呼ぶ声が聞こえる朝がやってくると信じたい。
  この小説は僕にとって特別な作品になった。
  中村文則さんの作品が読める限り生きていこうと思う。 》
やはり芥川賞作家の言葉は重かった。
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