カウントダウンシティ (2015/7/15)

文字数 687文字

2014 年11月15日 発行
著者:ベン・H・ウィンタース
早川書房



「地上最期の刑事」に続く三部作第2作、
第1作が「アメリカ探偵作家クラブ・最優秀ペイパーバック賞」受賞だったが、
本作は「フィリップ・K・ディック賞」を受賞している。
この偉大なる二つの賞を受賞したことは、
本シリーズがプレ・アポカリプスSFと警察小説の融合の結実であることを
分かりやすく証明してくれるものでしょう。

さて、
2作目は隕石激突2か月前までの状況下での主人公パレス元刑事の人探しがメインテーマであり、
背景にはより絶望的な世界が広がっていく。
主人公は元刑事と述べたとおり、もはや刑事警察は解散され、警察は治安維持だけの暴力装置に変身してしまっている。
そんななか、昔のベビーシッターから行方不明になった夫の捜索を依頼されるパレス。
人々が皆、隕石衝突までに「昔からしたかったことリスト項目」を
実行している(やりたい放題している)なか、
車もなく、インターネットも食料すら消えてしまう中で、その依頼を承諾する主人公。
前作同様に、捜査することが生きることになっているのか、
捜査することで恐怖をごまかしているのか?

前作でチョイ役だった妹が怪しげな人類救済秘密チームに加担したり、
多くの善良な人々が生き残りプロジェクト詐欺に騙されたり、
崇高な使命に命を懸けたり まさにプレ・アポカリプスの極みとなっている。

肝心の失踪人探しのミステリーが少し押され気味だった分、
「フィリップ・K・ディック」領域に入り込んだ感はある。
あと2カ月に迫ったラストデイへの準備など読みどころ満載の盛り上がりで第2部は終わる
・・・第3部が待ち遠しい。
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