国書院の六兵衛 (2015/5/3)

文字数 353文字

2013年10月21日 第1刷
著者:浅田次郎
日本経済新聞出版社



徳川幕府から明治時代の変換期、江戸城開城にまつわる浅田時代劇の真骨を存分に楽しめる。

江戸城に天皇が入るのに一つの懸念があった。
それは、御書院番(将軍陣地を直近で守る騎馬役)である旗本、
的場六兵衛が場内に居座っていることだった。
六兵衛の正体は?
その目的は?
ミステリー仕立てで、徳川300年、武士滅亡時の屈託を皮肉を込めて描き、
武士道とは如何にあるべきかを問いかけている。
上下2巻(単行本)の長尺でしか、10カ月の六兵衛の抵抗と彼を取り巻くサムライの
思惑と心情を描けなかったのだろうが、起伏の乏しさにちょっと手こずった。
毒が少ない、といってもコミカルな風情もなく淡々と消えゆく武士道を追い求める文章、
それはそれで 浅田時代劇小説の極みを飾っていた。
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