国を救った数学少女 (2016/4/23)

文字数 565文字

2015年7月10日 初版第1刷発行
著者:ヨナス・ヨナソン  :中村久里子
発行:西村書店



世界で1000万部の前作「窓から逃げた100歳老人」に続く、
メガトン級コメディ 笑撃の第二作という宣伝コピーからして愉快だ。
いま、コメディ小説が少なくなっている。
殺伐とした現代にこそ必要なエンターテイメントだと思うのだが、なかなか文字を読んで笑うことは困難だ。
しかし、本著者は前作同様、極端な対比をブラックユーモアで包み、
エスタブリッシュを笑い倒す。
本作の主人公は南アフリカ 第9区で生まれた黒人少女、自分の才覚で生き延びていく物語だ。
本作ではスウェーデンにこの少女が流れてきて、国王、首相を巻き込んだ一大パニックを起こす。
日本語タイトルの「数学少女」はかなり控えめな表現で彼女は天才だろう。
生き延びたいという強い思いで何事も学び取っていく、核爆弾製造についてまで・・・。
この天才少女に相対するのが、南アの科学者、モサドのエージェント、上海生まれの3姉妹、
ひとりしか存在しない双子のスウェーデン兄弟、そしてスウェーデン国王と首相のビッグコンビ。
粗筋はまさに荒唐無稽、今作も中国の存在が大きいのはスウェーデンと中国の蜜月を示唆している。
そして、本作もすでに200万部世界で読まれている。
日本抜きで、こんなに面白い小説が出来上がるのは少し残念だ。
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