もっと悪い妻 (2023/7/11)

文字数 447文字

2023年6月30日 第1刷発行
著者:桐野夏生
文藝春秋


6編からなる短編集である。
悪妻列伝かなと思った、ちなみに6編を一言で言えば:
■悪い妻 
自分もバンドを続けたかったのに夫の我儘に不満な妻
■武蔵野線
元夫に武蔵野線に飛び込み自殺したくなるようなことをいう元妻
■みなしご
理想の妻を亡くした男が次に選んだしっかり者の妻
■残念
間違った結婚だと一人合点している妻
■オールドボーイ
夫を事故死で失いながら悠々に生きる妻
■もっと悪い妻
夫と愛人を均等に愛していると信じる妻

無理やり「妻」をキーワードにしてまとめてはみたものの、文字通りの短編で妻の生態をえぐり取ることはできなかった。
6編共にオール読物に掲載された軽めの短編なのに、大仰なタイトルで書籍にできるのがベストセラー作家の力量なのだろう。
味のある短編を書くことができるのが優れた作家だと思っているが、本6作は評価のレベルにすら至ってはいない。何となく書き散らしたとしか思えない。

ミロシリーズ(1993年~)以来のファンとして最近のパワー低下を残念に思う。
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