西田幾多郎 無私の思想と日本人 (2014/11/22)

文字数 757文字

著者:佐伯啓思
2014年10月20日発刊  2014年10月30日第2刷
新潮新書



「難解極まりない西田哲学の沃野を、稀代の思想家が柔らかな筆致で読み解く至高の論考」
…と言うコピーについふらふらと手にしてしまった。

●「無の哲学」の誕生 ●「純粋経験」とは何か ●「絶対無の場所」について ●「死」と「生」について ●特攻精神と自死について ●日本人の宗教意識 ●「有の思想」と「無の思想」 ●「日本文化」とは何か ●大東亜戦争と西田哲学 ●絶筆「私の理論について」 
●「永遠の今」と無始夢終の時間 ●西田哲学の毒
以上の章立てで、確かにやさしい言葉で読み解いてはくれる。

著者も言っているように、だからといって西田哲学を理解できるものではない。
僕のような門外漢には、なおさら・・・。
ただ、今になって西田哲学、日本発の哲学が見直されるようになってきたワケが少し想像できる。
今話題のアベノミクスに象徴される、成長神話はもはや日本の将来には当てはまらないことにそろそろ気づき始めたのだろう、日本人は。
だからと言って、人生の充実、豊かさを求めるとなると、これもそう簡単ではなく、
結局は物質に依存する危険性がある。

人生をどう生きるか、どう死ぬかは哲学に頼るしかない。
そのための参考になるかと思ったが、僕の力ではほぼ西田哲学の理解はできなかった。
それでも、昔から「日本人ならこうする」という教えを、微かに思い出している。
これからもグローバル化は避けられないとしたら、今こそ日本人のアイデンティティを
一人一人の心の中に育んでいく必要がある。
世界の人たちが期待するのはそういう意味での日本人らしさだから。

今、何かが変わってきている。
それを敏感に感じ、危険だと判断した勢力が
時代に反した経済成長、安全保障を意図していることに気づかなければ。
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