【それから】、【門】 (2014/3/1)

文字数 497文字

2011年7月第1版
文春文庫「現代日本文学館」
著者:夏目漱石



但し書きに
「原文の品位、格調を守りながら、現代かなづかいに改めたほか、漢字をひらがなに・・・」
とあるように、
漱石の筆遣いを感じながら気楽(ある程度)に読み進める文章になっている。
このような名作2本立ての文庫が出版されていたのには驚いた。
この2編はテーマを同じくする連続物語である、無論人物、背景は異なるものであるけれど。

朝日新聞の連載として2年間書き綴られたものだということすら今まで知らなかった。
漱石マニアではないが、久しぶりに手に取ろうと思い立った。
今64歳になってみて、腑に落ちることばかり。
十代の頃に読んだ記憶があるが、これはつまらないはずだ。

明治維新の近代化が日本人の精神構造をいかに崩壊させたかが見えると同時に、
この日本人の精神的DNAがいまだに我々に巣食っていることにも驚かされる。
その葛藤に悩むか、気づかないかで日本人度を測定することもできそうだ。
そう考えるとこの2作品はやはり単なる文学を超えた文明基盤を形成するものなのかも
…なんて感服してしまう。
夏目漱石も読み返さなければいけない・・・あぁ、時間が残り少ないのに。
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