奴隷小説 (2015/7/13)

文字数 514文字

2015年1月30日 第1刷発行
著者:桐野夏生
文藝春秋



桐野夏生さんの【抱く女】に続いて、近作短編集「奴隷小説」も併せて読み比べてみた。

短編7作が収められているが、それぞれ掲載誌も異なっている。
最初から「奴隷小説」というテーマを意識して書いたのだろうか、よくわからない。
●雀 :舌切り雀伝承をモチーフとして、そこそこガッツな少女がレジスタンスする快作(地域社会の奴隷)
●泥 :イスラム国をメタファーしたテロ集団のJK拉致物語、これまた男前JKが果敢に抵抗する(ジェンダー奴隷)
●神様男 :アイドルを目指す娘、応援するしかない母親の悲劇(オタクの奴隷)
●REAL :娘を亡くした母親のブラジル傷心旅行(親子の絆奴隷)
●ただセックスがしたいだけ :男社会のお楽しみ(セックス奴隷)
●告白 :薩摩藩とイエズス会の陰謀(日本人奴隷)
●山羊の目は空を青く映すか :強制収容所の叛乱(半島の奴隷)
・・・と勝手に「奴隷」キーワードで括ってみた。
桐野さんの特異な分野だけに駄作はない。
この中から長編に描きのばしてくれるものがあればいいな。
「山羊の目は空を青く映すか」はパロディ風タイトルだけど、
「ミロ シリーズ」で書き直せないかな、たぶん無理か。
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