紋切型社会 (2015/6/5)

文字数 798文字

2015年4月25日 初版第1刷、5月15日 初版第2刷
武田砂鉄
朝日出版社



ライター、ジャーナリストの本来の名称を体現する骨太の作家だ。
武田砂鉄さんの名前を覚えておきたい。
中央公論新社からフリーになった33歳、初めての出版作だ、気合がいっぱい入っている。
サブタイトルが「言葉で固まる現代を解きほぐす」とある。
胡散臭い言葉や駄文が目につくようになったと感じていたところの本作。
下記のターゲット「紋切り」をお仕置きしまくる、痛快でありながら著者の現状打破の想いが気に入った。
01.乙武君(障害は最適化して伝えられる)
02.育ててくれてありがとう(親は子を育てないこともある)
03.ニッポンには夢の力が必要だ(カタカナは何をほぐすのか)
04.禿同。良記事。(検索予想なんて超えられる)
05.若い人は、本当の貧しさを知らない(老害論客を丁寧に捌く方法)
06.全米が泣いた(〈絶賛〉の言語学)
07.あなたにとって、演じるとは?(「情熱大陸」化する日本)
08.顔に出していいよ(セックスの「ニュートラル化」)
09.国益を損なうことになる(オールでワンを高めるパラドックス)
10.なるほど。わかりやすいです。(認め合う「ほぼ日」的言葉遣い)
11.会うといい人だよ(未知と既知のジレンマ)
12.カントによれば(引用の印鑑的信頼)
13.うちの会社としては(なぜ一度会社に持ち帰るのか)
14.ずっと好きだったんだぜ(語尾はコスプレである)
15.《泣ける》と話題のバラード(プレスリリース化する社会)
16.誤解を恐れずに言えば(東大話法と成城大話法)
17.逆にこちらが励まされました(批評を遠ざける「仲良しこよし」)
18.そうは言っても男は(国全体がブラック企業化)
19.もうユニクロで構わない(ファッションを彩らない言葉)
20.誰がハッピーになるのですか?(大雑把なつながり)
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