ジョン・ウェインはなぜ死んだか (2013/10/27)

文字数 600文字

1982年発表 1986年文春文庫第2版
著者:広瀬 隆



亡き母が奨めてくれて手にしたのが1986年。
27年前から僕は原発の問題点を知っていたが、特段積極的行動をとることなく、
福島の貢献を享受してきた。
そして2011.3.11を迎えた時、「あぁ、やっぱり」の後悔に暮れた。

このノンフィクションは、ハリウッド映画人に平均の4倍の癌死亡が出ているという仮定から、
【では、なぜ彼らは死んだのか?】を作品ボリュームの98%を使って延々と
合理的にレポートしていく。
ジョン・ウェインが亡くなったときホワイトハウスは半旗を掲げて、彼の死を悼んだ。
しかし、デューク・ジョン・ウェインは彼が熱烈に支持した軍に、政府によって死んだ。
いや、彼だけではなく、
ゲイリー・クーパー、ロバート・テイラー、ヘンリー・フォンダ、スティーブ・マックィーン、ユル・ブリンナーも。
ハリウッド・スターの呪われた死をもって、アメリカ軍部の秘部を暴く。
なるほど、ジョン・ウェインが死んだのはそうだったのか・・・・とミステリーの環が閉じる。
そして最後の最後の2%で著者のメッセージが述べられる。

「日本のような地震国には原発は危険極まりない」 と。
究極の告発ノンフィクションだ。
ラストページのシンプルな地図の恐怖を忘れることはできない。

1982年から29年目の2011年にこの恐怖が現実となった。
今なお、原発再稼働という発想が出てくることが信じられない。
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