カルニヴィア 3 密謀 (2015/11/7)

文字数 594文字

2015年9月15日 発行
著者:ジョナサン・ボルト
訳:奥村章子
ハヤカワ/ポケット・ミステリー



ハヤカワ・ポケット・ミステリー70周年記念シリーズ「カルニヴィア」の第3部、最終作。
ヴェネチアの街とヴェネト州への愛情をベースに、憲兵隊大尉カテリーナ、駐留米軍少尉ホリー、二人の女性友情物語、内容は相変わらず驚愕が一杯。

1.禁忌 2.誘拐に続くテーマは「密謀」、
二人の女性にかかわる天才SNS創始者としてネットの闇を支配するダニエーレの真実も明かされる。
本シリーズで次第に明らかにされてきたのはヨーロッパにおけるイタリアの特殊な位置づけだ。
言い換えれば、アメリカの世界戦略、または諜報戦略におけるという意味でイタリアは特殊な地位にある。
イタリアにはヨーロッパ最大の米軍が配置され、核兵器を含む物資が臨戦態勢で準備されている。
シリーズでは、共産党との連立を図った「歴史的妥協」のアルド・モロ首相の暗殺はじめ、赤い旅団の真相が明らかにされてくる。
イタリアでは戦後70年間に62の政権が生まれたが、実際に国家を管理していたのはCIA支局長2名だけだった…などという言葉が出てくる。

直近の出来事で、憲法を蔑ろにした安保法制、沖縄基地問題の泥沼・・などに怒りを禁じえない日本の現状を顧みる時、本小説を日本人こそ身をもって実感することができる。
イタリアのミステリー と簡単に捨て置けない三部作シリーズだった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み