深夜プラスワン (2013/8/4)

文字数 666文字

1965年発表 1976年ハヤカワミステリー文庫第2版
著者:ギャビン・ライアル



英国冒険アクション小説に伝説として残るギャビン・ライアル。
彼の第3作である本作は日本で圧倒的な人気を得たことで有名、
内藤珍氏が設立した日本冒険小説協会の公認酒場として
ゴールデン街に同名のお店があるのはトリビア。

そのほかにも日本では本作のオマージュ作品等がたくさん捧げられているのは、
ある意味で日本人の真情に触れるエッセエンスが含まれているからだろう。
そう考えれば、本作のストーリーは日本の任侠ものに近い。

一人の人間をフランスからリヒテンシュタインまで護送する仕事を引き受けた
元フランスレジスタンスを支援していた英国工作員(暗号名)カントン。
依頼人を護衛するガンマンとして選んだのがハーヴェイ・ロヴェル、
腕は一流だがアルコール中毒の問題を抱えている。

依頼人は、フランスで警察に追われる身であり、
身元不明のビジネス敵対者からも移動中襲撃されるという、
至れり尽くせりの設定となっている。

そのため、通常のルートではリヒテンシュタインにたどり着けない・・・
何度も訪れる絶体絶命の危機。
カントンの一人称での息詰まる銃撃シーン、ハーヴェイが飲み崩れるシーン、
だれが裏切っているのか待ち伏せにあうカントン・・・読みどころ満載。
カントンのプロとしてプライド、そして正義の側にいるという使命感が全編にみなぎる、
日本人が好きそうである。
ラスト 一行は「時計を見た。真夜中を1分(深夜プラスワン)すぎていた」、
イヤーかっこいい、クール。
真夜中までに依頼人を届ける約束は守られた。

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