ディオゲネス変奏曲 (2019/6/5)

文字数 566文字

2019年4月15日 発行
著者:陳浩基  訳:稲村文吾
ハヤカワ ポケット ミステリー



陳浩基の「13・67 (2014年)」中編連作ポリスミステリーでは、変貌する香港を愛情深くクールに伝えてくれた。
本作はデビュー10周年の短編集、著者の想いがこもった自選作品集、興味深く手にした。

全短編作のタイトルを列挙すると以下のようになる:
 「藍を見つめる藍」、「サンタクロース殺し」、「頭頂」、「時は金なり」、「習作Ⅰ」、「作家デビュー殺人事件」、「沈黙は必要だ」、 「今年の大晦日は、ひときわ寒かった」、「カーラ星第九号事件」、「いとしのエリー」、「習作Ⅱ」、「珈琲と煙草」、「姉妹」、「悪魔団殺(怪)人事件」、 「霊視」、「習作Ⅲ」、「見えないX]

ショートショート、サスペンス、密室トリック、SF、本格推理など多種類の短編が取り込まれている。著者の意向が強いという傾向の裏腹として、短編集としての統一感が欠如してくる。
雑多煮物を好物とするか、しないか。
僕は、どうしても前作の社会派警察小説として比較してしまう、しても詮無いことなのに。
著者のアイデアだけを取れば中に絶品のものもあったものの、これを膨らませる気持ちがないことも同時に感じた。
細切れにいろいろな結末を楽しむにはいいかもしれない。
僕は、それを我慢できなかった、細切れは苦痛だった。
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