ヴィズ・ゼロ (2015/5/9)

文字数 565文字

2007年6月21日 初版発行
著者:福田和代
青心社



システム・エンジニアである作者のデビュー作品。
2007年の発行にしては、システム工学はじめインターネットテクノロジー内容が
先進的なのは諾うものがある。
当該作者には「Tokyo Blackout」で初体験だったが、本デビュー作が一番面白いとの評価で手にしてみた。
ジャンルとしては、日本情緒的スパイ小説に、ハイジャック交渉プロットが重ねられ、なかなか読みごたえがある。
官憲側には、エリート官僚と、スピンアウトした元キャリア警官を配している。
スパイ、テロリストは北朝鮮、元過激派セクト、そして天才ハッカーがここに絡んでくる。
はっきり言って、新鮮味のない設定だし、裏切りの細工も底が浅いのだけど、前述のように読みごたえがある。
おそらく、それは10年間にわたって書き込んでいった著者の思い入れが読む者を取り込んでしまうからなのだろう。
近年巷にあふれている、安直なポリス小説を代表とするお気軽ミステリーとの違いがあった。

しかし、作家は小説を書き続けなければ日本では生き残れない、食べていけない。
デビュー作以降の作品を、概要だけで判断するのは、はなはだ失礼だが
興味をそそられるものはなかった。
しかし、サスペンス、ポリスストーリー、そしてITミステリーを紡ぐ
貴重な女性作家であることは間違いない。
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