邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき (2021/1/25)
文字数 824文字
2020年6年15日発行 9月10日 六刷
著者 伊籐祐靖
新潮社
圧倒的なリアリティに魅了される、タイトルはなんとも陳腐ではあるけれど内容は貴重だった。
というのも、著者が海自特殊部隊の創設メンバーであるというその1点において本書はかって経験したことの無い戦闘アクション小説に成りあがっていた。
主人公は海上自衛隊特別警備隊(特警)の小隊長、簡単に例えれば米海軍のシールズのようなものかと、想像していたら主人公に言わせれば「シールズなどはガサツな暴力集団」だそうで、我が国の特殊部隊こそは世界一の強者なのだそうだ、それを確認することは僕にはできないけど。
元特殊部隊の隊員の手になるオタク物語かというとそれでもない、特警隊員の個性的な描写、
そして任務遂行シークエンスはまるでハリウッド映画のような臨場感とダイナミズムの怒涛だった。
本作の読みどころでもある「北朝鮮からの邦人奪還作戦」のリアリズムは読む端から映像が
想像できるほどに迫力に溢れていた。
一方、本書は自衛隊(隊員)の憲法上の摩訶不思議な境遇を哀しみ、政治家たちの弱腰と似非愛国心をあげつらい、官僚を(防衛省制服組も)批判するポリティカルサスペンスのエッセンスもたっぷりとサービスされている。
当然のことながらアメリカとの歪な関係も本書のキーカードになるが、この辺りのサスペンスレベルはいくぶんパワー不足。しかしそんな不満もぶっ飛ばしてくれるような特警隊員と陸上自衛隊特殊作戦群との共同作戦ストーリーは、小気味よかった。
常々、自衛隊を便利屋のように要請する自治体や国民に不快感を募らせていた身としては、新コロナ禍のSTAY HOMEで思いきり憂さを晴らしたものだ。
本書の《重要関連ワード》を下記にお知らせしておこう:
尖閣列島・魚釣島、呉、習志野、北朝鮮クーデター、拉致家族救出、ヘリコプター(チヌーク・ブラックホーク)、ヘリ空母(いずも)、イージス艦(あたご、あしがら)、潜水艦(うんりゅう・はくりゅう)
著者 伊籐祐靖
新潮社
圧倒的なリアリティに魅了される、タイトルはなんとも陳腐ではあるけれど内容は貴重だった。
というのも、著者が海自特殊部隊の創設メンバーであるというその1点において本書はかって経験したことの無い戦闘アクション小説に成りあがっていた。
主人公は海上自衛隊特別警備隊(特警)の小隊長、簡単に例えれば米海軍のシールズのようなものかと、想像していたら主人公に言わせれば「シールズなどはガサツな暴力集団」だそうで、我が国の特殊部隊こそは世界一の強者なのだそうだ、それを確認することは僕にはできないけど。
元特殊部隊の隊員の手になるオタク物語かというとそれでもない、特警隊員の個性的な描写、
そして任務遂行シークエンスはまるでハリウッド映画のような臨場感とダイナミズムの怒涛だった。
本作の読みどころでもある「北朝鮮からの邦人奪還作戦」のリアリズムは読む端から映像が
想像できるほどに迫力に溢れていた。
一方、本書は自衛隊(隊員)の憲法上の摩訶不思議な境遇を哀しみ、政治家たちの弱腰と似非愛国心をあげつらい、官僚を(防衛省制服組も)批判するポリティカルサスペンスのエッセンスもたっぷりとサービスされている。
当然のことながらアメリカとの歪な関係も本書のキーカードになるが、この辺りのサスペンスレベルはいくぶんパワー不足。しかしそんな不満もぶっ飛ばしてくれるような特警隊員と陸上自衛隊特殊作戦群との共同作戦ストーリーは、小気味よかった。
常々、自衛隊を便利屋のように要請する自治体や国民に不快感を募らせていた身としては、新コロナ禍のSTAY HOMEで思いきり憂さを晴らしたものだ。
本書の《重要関連ワード》を下記にお知らせしておこう:
尖閣列島・魚釣島、呉、習志野、北朝鮮クーデター、拉致家族救出、ヘリコプター(チヌーク・ブラックホーク)、ヘリ空母(いずも)、イージス艦(あたご、あしがら)、潜水艦(うんりゅう・はくりゅう)