雨の狩人 (2014/8/24)

文字数 591文字

2014年7月25日 第1刷
著者:大沢在昌
幻冬舎
 


大沢さん代表シリーズ「新宿鮫」はあまりにも有名だが、もう一つ新宿署をベースにした「狩人シリーズ」がある。
鮫島警部という特異なキャラクターを中心に展開する「新宿鮫」と異なり、
シリーズの主役が毎回異なり、原則として暴力団が重要な要素となっている。
狩人シリーズには、それでも新宿署のマル暴デカ(組織暴力対策課)の佐江警部補が登場して、その折々のゲストをサポートする。
この狂言役の佐江警部補は、官僚が机上で計画する「暴排条例」は犯罪を拡散し地下に隠すだけでしかないという悲観論者である。
刑事vs極道の古典的敵対関係を懐かしがってさえいるように思える。
4作目になる本作ではホットなテーマを扱っている、それは「公営カジノ」。
法律でカジノを作る構想が現実に最終段階になっているのは周知のとおり。
この巨大な利権を将来の希望として取り込みたい、今や手足を縛れた組織暴力団の究極の一手、「プロの殺し屋」。
対決するのは佐江、佐江のパートナーとなる本庁のエリート刑事谷神、
日タイ混血の殺し屋プラム。

このシリーズの特徴である激しい銃撃戦、拉致、拷問などのアクションサービスは
本作でも健在だ。
1作の中で人物像、その背景も説明しながらのアクション、サスペンス、謎解き、カタルシスまで提供してくれる。
いつもながら「狩人シリーズ」の一気呵成の流れに感心するのみだった
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