バースデイ・ガール　（２０１７／１２／５）

2017年11月30日 発行
著者：村上春樹
新潮社



村上春樹の短編１編だけの豪華本です、イラストがその代わりいっぱい入っています。
なるほど、クリスマスプレゼントにぴったりの企画出版でしょう？

本短編は英語翻訳短編集「めくらやなぎと眠る女（Twenty-Four Stories）」（2009年発行）のなかの一つとして読んでいたのですが、特別出版ということで手にしてみました。
村上さんのあとがきによると、
15年ほど前に誕生日にまつわるアンソロジーを作っていたらどうしても作品数が足りないので自分で書き下ろした1編だ、とのことです。
そして「誕生日」はすべての人々に公平にある一年で一日（24時間）であること、自身は誕生日の味方であることを熱く述べています。

本作は、20歳の誕生日にアルバイト先で不思議な体験をした女子学生の物語です。
20歳の時に「なんでも一つだけ願いをかなえてくれる」・・・と云われたらどうしますか？
と問いかけてきます。
「人間というものはどこまで行っても自分以外にはなれないものだ」という軽口が心に残りました。
もし僕が20歳の誕生日に「一つの願い」をプレゼントされたら
・・・・・といまさらながら心ドキドキで遠い昔を思い出しました。

１冊のイラスト本にふさわしい村上ワールドです。