カルニヴィア 1 禁忌 (2013/11/27)

文字数 649文字

2013年9月15日 発行
著者: ジョナサン・ボルト
訳: 奥村章子
ハヤカワポケットミステリ



「ハヤカワミステリー 創刊60周年記念作」の触れ込みで、三部作の第一弾を手にしてみた。
解説に「ダ・ヴィンチ・コード」と「ミレニアム」のエッセンスが盛り込まれている
とのことだったが、ほぼ納得できた。
舞台がヴェネチア…なのがうれしい。
水の都と言われたのは遠い昔のお話、今は滅びゆく中世の廃墟、それでもこの町の魅力は世界を狂おしくさせる。

キリスト教エッセンスは、発端の殺人事件被害者が「司祭の衣服を着用した女性」であったこと。
ヴァチカンはいまだに女性の司祭をみとめていないのに・・・?
ミレニアムエッセンスは、この事件を追いつめる二人の女性、
憲兵隊(カラビニエーリ)刑事部大尉とイタリア駐留米軍少尉が
気味いいフェミニズムを発揮するから。
この二人、ミレニアムの怪物リスベットとは違って超能力はないがガッツの塊のような女性。
とてつもない、悪の世界に挑戦する。

背景にはボスニア紛争にCIA、アメリカ軍がかかわっていたのか?
その責任はだれが負うのか? 
などなど平和ボケの僕を一喝してくれる要素もたっぷりだった。
またヴェネチアの街を細部まで緻密の再現した3Dミラー・ワールド「カルニヴィア」が
ヴェネチアのSNSとして開発され、
今では裏社会のコミニュケーション都市としてバーチャル存在する。

実際のヴェネチアの情景や居酒屋、ワイン料理もたくさん紹介されて、これまたうれしい。
第1部でこの面白さだとすれば2部、3部の展開が楽しみだ。
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