フクシマ事故と東京オリンピック (2020/5/3)

文字数 607文字

2019年12月2日 第一刷 発行
著者 小出裕章
径書房



「新コロナ緊急事態宣言」は現時点で(2020年5月3日)いつ解除されるのだろうか?
と話題になっている。このまま仕事をしないでいると食っていけない…といった経済面からの悲鳴がある現状はまずもって遺憾に思う次第ではある。

しかしながら、日本には9年間出されっぱなしの緊急事態宣言があることを思い出しておきたい。
官庁もメディアも口をつぐんでいるので、このことを忘れてしまいそうだ。
というか・・・忘れてしまうように画策しての意図的な情報操作がある。
「原子力緊急事態宣言」は2011年3月11日に発令されたまま今も解除されないままでいる。
本書は東京オリンピックを控えた2019年末、7か国語(英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、アラビア語)で製作され、各国のオリンピック委員会に送付されたものが原型になっている。
「原子力緊急宣言」を一刻でも早く解除できるように国の総力を挙げることをしないで、オリンピックに膨大な浪費をする。歪んだエリート意識と過剰な商業主義が日本をそして世界を蝕んでいく現状を憂う告発書である。
皮肉にも東京オリンピックは、別の緊急事態宣言で延期(1年間)という現状である。
新コロナウィルス感染による現代社会の脆弱さを今感じている日本人は、同じように100年単位の復興計画が遅々として進まないまま解除の希望もない「フクシマ」を忘れてはいけない。

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