亡国の安保政策 (2014/7/12)

文字数 672文字

2014年4月第1刷 6月第3刷
著者:柳澤協二
岩波書店



サブタイトルが:安倍政権と「積極的平和主義」の罠、
時事ネタ、それもホットな日本の安全保障ネタにめずらしく手を出してみました。
僕の政治立場はリベラルに尽きることは最初にお断りしておいた方がよろしいでしょう。

このタイトルはその意味で、魅力的でしたし、
「積極的平和主義」という稚拙なナショナリズム表現に最初から倦んでいたのも事実です。
著者は防衛庁官僚から安全保障・危機管理担当官房副長官補として安倍内閣(一次)でも重責を果たした実務家です。
著者は、安倍総理が突き進む集団自衛権の憲法解釈を小気味よく切り捨ててくれます。
その根拠は、過去に実績のある憲法解釈である個別的自衛権で事足りるとのリアリスティックな見解、シンプルです。

つまるところ感情的な「憲法9条擁護」などの論点を持たない現実的解決策を提案しています。
日本の安全保障が米軍の基地による抑止力によってかなりの部分保たれているとする現実派でもあります。
而して、安倍総理は「なぜ」集団的自衛権にこだわるのか?

今必要なのは政治の理性と国際的に手順を踏んだ対応だと断じています。
そして、積極的平和主義とは防衛協力外交であり、原発輸出外交であり、武器輸出外交であるという指摘はとても納得がいくものです。

バラエティ番組のように、漫画で集団的自衛権が必要になるケースを説明していた安倍総理、
国民をばかにしてるのか?
彼に外交・安全保障を任せることは危ういかぎりです。
ふと、僕は安倍総理に太平洋戦争前の「暗黒」を感じ、
その悪臭をかいでいる錯覚に陥りました。。
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