21 Lessons  21世紀の人類のための21の思考 (2020/1/21)

文字数 961文字

2019年11月20日 初版印刷 11月30日初版発行
著者 ユヴァル・ノア・ハラリ  訳 柴田裕之
河出書房新社



2019年末から2020年にかけて、体調不良、介護増加などのおかげで本を読むことが物理的に困難だった…というのが言い訳その①。
本書そのものが読み進めるのにかなりのパワーを必要とする難書だったこと‥というのが言い訳その②。
ということで2か月間あまり本書を手元に置き枕元に侍らせて、ようやく読了になった。
いま思い返すと重厚なボリュームの詳細など記憶のなかにはなく、21に渡る問題点を顧みる程度のレビューしかできそうもない。しかし、間違いなく理解したことは、本書は禁書・焚書にも値する「絶望の書」だということ。読み進むうちに自分の非力と無知と傲慢を思い切り知らされる、こんな本を崇めるわけにはいかない。

ちなみに、21の課題を目次にある通りに再現してみると:
「テクノロジー面の難題」
1.幻滅:先送りされた「歴史の終わり」
2.雇用:あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
3.自由:ビッグデータがあなたを見守っている
4.平等:データを制する者が未来を制する
「政治面の難題」
5.コミュニティ:人間には身体がある
6.文明:世界にはたった一つの文明しかない
7.ナショナリズム:グローバルな問題はグローバルな答えを必要とする
8.宗教:今や神は国家に仕える
9.移民:文化にも良し悪しがあるかもしれない
「絶望と希望」
10.テロ:パニックを起こすな
11.戦争:人間の愚かさをけっして過小評価してはならない
12.謙虚さ:あなたは世界の中心ではない
13.神:神の名をみだりに唱えてはいけない
14.世俗主義:自らの陰の面を認めよ
「真実」
15.無知:あなたは自分で思っているほど多くを知らない
16.正義:私たちの正義感は時代遅れかもしれない
17.ポスト・トゥルース:いつまでも消えないフェイクニュースもある
18.SF:未来は映画で目にするものとは違う
「レジリエンス」
19.教育:変化だけが唯一不安
20.意味:人生は物語ではない
21.瞑想:ひたすら瞑想せよ

著者が挑発する人類の危機への対応不足に反論できる読者がいるとすれば、それは単なる能天気野郎(女性)に違いない、
そんな絶望感に包まれた時間を堪能した2か月は決して無駄ではなかった。
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