祝祭と予感 (2020/3/28)

文字数 589文字

2019年10月1日 第1刷発行
著者 恩田陸
幻冬舎



直木賞、本屋大賞ダブル受賞、そして映画化においても大成功した「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ短編集。
揶揄すれば、「柳の下商売」ともいえるが、僕は躊躇なく手に取った、それほどに元祖小説は素晴らしかったから。

6編の短編は本編にかかわった登場人物のその後、過去の出会いなど時空を超えて描かれる、まさにスピンオフ。だから「蜜蜂と遠雷」を読んでいないと本短編集は意味をなさない、理解できない、感動しない。
文字通りの短編6作、内容もワンテーマにフォーカスされているため、あっという間に読み終えてしまう。

簡単に6編をブリーフィングすると:

1.祝祭と掃苔
コンクールの後の入賞コンサートツアーの合間に恩師綿貫先生の墓参りをする亜夜とマサル、同行する塵、三人の会話が衝撃的な秘密の予感。
2 獅子と芍薬
審査員ナサニエルと三枝子の若き日の愛情物語、巨匠ホフマン争奪エピソードが後の塵への複雑な感情となっていく。
3 袈裟と鞦韆
コンクール課題曲「春と修羅」の作者菱沼忠明の教え子との思い出。
4 竪琴と葦笛
ジュリアード音楽院プレカレッジ時代のマサルと師ナサニエルとの痛快な音楽体験
5 鈴蘭と階段
亜夜の親友奏がヴィオラを選ぶのに苦悩する中、亜夜と塵が思いがけず奏を助ける奇跡のエピソード。
6 伝説と予感
塵とホフマンとの運命の出逢い、此処から「蜜蜂と遠雷」が始まった。
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