国際メディア情報戦 (2014/4/1)

文字数 616文字

2014年1月20日 第1版
講談社現代新書
著者;高木徹



CNNはじめ世界のTVネットワークを利用した情報操作は
銃よりも強固なツールであることの実例を示してくれる。
ボスニア、アメリカ大統領選挙におけるオバマの戦略、
そして本書のメインテーマはビンラディンとアルカイダの情報戦略と
アメリカのカウンター情報戦争の一部始終だ。

これらは断片としては僕も知識を共有するところであったが、これらを一つの世界の潮流としてとらえた本書の意義は大きい。

面白い言い回しがあるので、ご紹介する:
ボスニアでの悲劇を世界のイシューにさせる戦略を担当したPR会社の3つのキーワード:
「サウンドバイト」、「バズワード」、そして「サダマイズ」
◆サウンドバイト:要点をシンプルなセンテンスで伝える、
         ボスニアの外相が徹底的にこの訓練を受けアメリカののTV番組に出演した
◆バズワード:うるさいほどにメディアを騒がせる流行語、ボスニアのケースでは「民族浄化」
◆サダマイズ:イラクのサダム・フセインのような悪の権化を演出すること、
ボスニアにおいてはセルビア大統領のミロシェビッチを戦争犯罪人に仕立て上げた

この情報戦によりボスニアにはNATOの支援が約束され、
世界の多くの関心を得ることになった。
そして今、日本に必須なのはこの情報戦略。
オリンピック招致活動、アジア諸国との連携を通じて見えてくる更なる重要性を実感した。
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