地上最後の刑事 (2015/5/17)

文字数 478文字

2013年12月15日 発行
著者:ベン・H・ウィンタース
早川書房



終末SFにポリスストーリーが組み合わされた格調の高い作品だ。
どちらのジャンルも僕の大好きなものだったのに、今まで気づかなかったことが残念だ。
終末SFといえば「渚にて」、「復活の日」などの今も心に残る名作が多く存在するが、
近年ではこの類いを「アポカリプス小説」と称するらしい。
そしてアポカリプス小説自体も「プレ」と「ポスト」に分けるらしい
(つまるところビフォー&アフターである)。
そしてプレ・アポカリプスにミステリーを融合させたのが本作品ということになる。

大きなテーマは、あと数か月後に人類消滅となる要因が発生する中で
「人はどう生きるか?」ということだ。
こんな時だからこそ、職務を全うする人間もいる。
主人公の新人刑事は、あと三か月後に隕石が地球に激突するという悲劇パニックを前にして
不可解な自殺事件を捜査する。
異常な状況の中で、混乱の中で彼を衝き動かす使命感は何か?
そしてこの事件の真相は?
終末SF、ミステリー両方とも質の高い内容に満足した。
この作品は3部作の1作目、これからも楽しみが増えた。
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