一路 (2015/2/18)

文字数 570文字

2013年2月25日 初版
著者:浅田次郎
中央公論新社



マイブームの浅田時代劇小説。
2013年初版ということだから、少し遅ればせの感は仕方なし(中古本です)。

時代劇小説、特に幕末物(近現代史)が得意な浅田さんの、
今作はエンターテイメントたっぷりの痛快物語だ。
桜田門の変(井伊大老暗殺)後の徳川幕府の力が傾きかけてきた中での
「参勤交代」が物語の骨子となっている。
大坂夏の陣で家康を支援した功績から七千五百石の旗本とはいえ、
並の大名より格式の高い田辺郡知行持ちの蒔坂左京大夫の江戸見参途中に起きる
事件の数々が僕を魅了した。

ウツケモノと言われているお殿様の実態は?
父の急死により、全く初めて参勤交代の指揮を執る御供頭、小野寺一路の活躍と苦悩とは?
お家乗っ取りをたくらむ一味が仕掛けてくる謀略、どうするか一路?
江戸参勤とは、そもそも一大事の折の行軍とすれば、形骸化した御供衆をどう統率するのか一路?
雪の木曽路、参勤交代同士のダブルブッキング、お殿様の病気、考えられるトラブルが押し寄せてくる、どうする一路?
そんな行軍の中にひっそりと花咲く恋の温もり、激情の思慕、どうする一路?

新撰組シリーズとは違って、心温まるエピソードが満載。
しかしながら、武士の本分を忘れることなく、
人の道を誤ることなく・・・という教えは現代にも通用する。
浅田時代劇の真骨頂だった。
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