幸福の増税論 - 財政はだれのために (2019/6/13)

文字数 658文字

2018年10月20日 第1刷発行 2019年1月7日 第2刷発行
著者:井出英策
岩波新書



経済学者の財政論だと思っていた、大変失礼した。
本書は転換期にいる日本、そしてグローバルな視点に立った未来書、それも熱い想いのつまったメッセージが一杯だった。
少なくとも僕にとっては、ハラリ教授の未来論と同じくらいの衝撃を受けた。
僕固有の「税」に対する観念の危うさと歴史的な思考欠陥を見事指摘された。
2019年6月13日現在、馬鹿げた「年金2000万円不足」スキャンダルへの回答も、本書にちゃんと用意されている。
著者は大胆な社会改革を述べる、だからこそ、僕は完全に本書に魅了された。
本書の原点は、日本は、勤労と倹約とその裏腹な自己責任をベースとした勤労国家を営んできたが、もはや持続不可能に陥ってきている…とする点。
避けられない増税や財政改革に関して自説のみならず、たちはだかる反論異論にも丁寧に論証していく。
章立てをお知らせしておこう:
1章 鳴り響く 「1億総勤労社会」の号砲
2章 中の下の反乱 「置き去りにされた人たち」の怒り
3章 再分配革命  「頼りあえる社会」へ
4章 貯蓄ゼロでも不安ゼロの社会
5章 財政の転換をさまたげるもの
6章 選択不能社会を終わらせる

政治的左派・リベラルを切って捨てながら、
著者はこう述べる  
【新しいリベラルにとってこんなチャンスに満ちた時代はない。僕たちは新たな文明社会を切り開くのだ。高らかに自由と共存の旗を揚げながら。さぁ 選択不能社会を終わらせよう。可能性への闘争をはじめよう。今すぐに。 】
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み