作家の秘められた人生 (2021/3/4)

文字数 599文字

2020年9月25日 第1刷
著者 ギヨーム・ミュッソ Guillaume Musso  訳 吉田恒雄
集英社文庫



ギョーム・ミュッソ小説も今作で4作目になった。
「マンハッタンの少女」、「パリのアパルトマン」、「あなた そこにいてくれますか」、
そして本作、4作すべてを惹きつけられるように読む継いできたのは、純粋に面白い小説だから。
意外な真相であった「事件もの」2作、タイムトラベル愛情もの1作、さて今作は?

物語りはタイトルの通り著名作家が筆を折ったいきさつを巡るミステリ展開になっている。
今までにも経験したミステリーとさほど相違ない、もしかしたらインパクトパワーは劣るかも・・・
と懸念しながら読み進むうちに、本作の異様な構成に気づいていく。
本作は小説の作り方を教授しながら展開されれいるように思えてくる。
登場人物が類型的なのも、事件進展がクラシックなのも、読者の先読み意欲へのサービスに思え、クライマックスに差し掛かるところではいくぶん興ざめの思いすらある、心配になる。
しかしながら、最後の謎解きとカタルシスはギヨームならではのどんでん返しと恐怖がが仕組まれていた。
やはり、ギヨーム・ミュッソは一筋縄では括ることはできなかった。

読後、著者による「記述内容の真偽について」において本作の重要なコンテンツの由来を明かしている。
なるほどこうやって人気作家は物語をつぐむものかと思いいたる、とても参考になった。
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