モノを書く力を底上げする方法を考えてみる

文字数 2,066文字

 PV11万を達成したので、少しは誰かの役に立つかも知れないことを考えてみることにした。

 先日、ラノベが自分に合わないのは何故か? ということについて考えていたわけだが。
 一般小説を書いているとラノベをバカにする気持ちも分からないではないが、ラノベは正直書くのは非常に難しい分野だと思われる。
 ここからは、以前「」の中しか読まれないという話をしている人がいてそこから着想した理論上の話。

 ラノベの向けの層が中高生と言うのは知っている人は多いと思う。
 そしてラノベとは『肯定された世界』なので、ぐちゃぐちゃと余計な説明やら心情描写は不要の世界。
 ただし、ラノベでも推理小説のような分野になると『思考』というものは意外と入ってくる。それは犯人へ手がかりだったりするわけで、ジャンルとして必要な部分である。

 とは言え、一般小説で解説されるような”あり得ない状態”と言うのについてはそんなに深く触れられていないと思う。ある意味、ざっくりとフィクションだからで済まされるのはラノベの方だと感じる。
 自分が読んだことのある物語の範囲内なので、実際はどうか定かではないが。

 とりあえず、ここで何が言いたいのかと言えばラノベは描写重視ではなく会話に力をいられなければならないということ。別に印象に残るセリフを連発すべきとかそういうことではない。

 ・ラノベは会話を重視する
 ・一般小説では地の文に変換できる

 これが何を意味するのか分かる人はこの先を読む必要はないと思う。

 まず日本語の基礎。
 人に何かを文章で伝える時に重要なのは主語と”はにをが”である。
 対面での会話時にはそれらは不要。
 これは外国人が日本語を学ぶ時に引っかかる部分のひとつであり日本語の大きな特徴。
 英語などだと対面で話していてもいちいち”IだのYOUだの”つけなければならない。だが日本語の場合は必要ない。何故なら、話し手(自分)がIであるのは当然であり、対面で話す(二人の時)なら相手がYOUなのは当たり前であるから。暗黙の了解として通じるのが日本語なのだ。

「今からご飯に行かない?」
 と言えば、『誰と行くのか』はその話し手であり、『誰を誘っているのか』は相手と決まっている。
 いちいち「あなたと私で一緒にご飯を食べにいかない?」なんて言う人は皆無。
 言わなくても分かるでしょ。それが日本語。

 これが何故小説などの場合に『主語』や『はにをが』が必要になるのか?
 それはこの二人の会話を第三者(読み手)に説明しているからである。
 誰が誰に言っているのか? それを伝えているからってことだね。
 この説明で『何故小説には地の文が必要になってくるのか』わかるとは思うのだけれど、伝える手段と言うのは何も地の文と決まっているわけではない。
 
 「」しか読まない。これをよく考えてみて欲しいのね。
 ここであなたは何を思うのか?
 
 この「」しか読まない層が仮にラノベ層だとする。
 「でも、地の文読んでくれないと話が理解されないし……」と思ったあなたは恐らくラノベには向いていない。
 「」しか読まないのであれば、会話としてぶっこめば良い話。
 つまり伝えなければならないことは地の文にもできるし、会話文にもできるということ。

 ではその例を説明してみたいと思う。
 課題1:雨が降ってきたことを読者に伝える。【世界観は現代で作ってみる】
 1:会話のみで伝える→ラノベ層向き
 2:地の文のみで伝える→文学小説向き
 3:会話文と地の文で伝える→一般小説向き
 4:モノローグで伝える→なろう系向き?

 向きというのはあくまでも分かりやすさで分類しているだけなので、実際にどうなのかその傾向は研究してみないと何とも言えない。ここではあくまでも例え。
 なろう系に関してはそんなにたくさんの作品を読んだことがあるわけではないので定かではないが、漫画などを読むと会話よりもモノローグが多いんだよね。なのでここでは分かりやすさでの分類ね。

 課題をやってみるとわかると思うのだが、表現の仕方と言うのはいろいろあるということ。
 大切なのは、自分が今書いている作品が何向けなのか? 
 向けに合った書き方をすることは「らしさ」を出すことにも繋がるんだよね。

 何故世界観を【現代】に縛ったのか?
 それはここからいろんな変化を起こすことができるから。

 例えば、作成したこの4パターンをSF風に変換してみる。
 ファンタジーに変換してみる、恋愛ものにしてみる。
 つまりそのジャンルに合った言葉選びや世界観に合わせることはそのジャンルらしさを出すことに繋がるんだよね。

 ここまでで「雨が降ってきた」たったそれだけなのに、多くのバリエーションを産む方法が見つかったわけだ。
 どんなにたくさんの本を読んでも上達しないのは恐らくその方法が間違っているから。
 いろんな思想を形にすることはできるし、たくさんの物語が浮かぶ人は才能があるとは思う。
 けれども論理的にエピソードのバリエーションを増やすことは可能。表現力を上げるのも可能である。

 

 
 
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