どうしても異常なんだと感じられないこと

文字数 1,530文字

 自分はいろんな作品を同時進行していくタイプである。
 むしろ一作づつ書くことの方が難しい。

 まず第一に、作品スタート時点の自分と言うのはとても視野が狭いと思う。
 『もう、その手は掴めない』という物語は書き始めたのが二年から三年くらい前である。
 創作論を題材に取り入れ『世界で一番愛しい君』に出てくる二人の女の子をメインとして書き始めた。
 
 結菜と言う子はギャル系の服装を好んだ文学少女。
 ここまではモデル通り。書いているうちに性格は全く変わってしまう。
 愛美は真面目で意志が強く、頑固な一面を持った一途な子。
 たぶん性格だけはそのまま。だが人物像は全く違ってしまう。
 
 どうしてそうなるのかと言えば、リアリティというものは『世界観』に対して持つものであるから。
 世界観は物語と深くつながっている。では物語を支えているのは何かと言えば『思想』だ。
 そしてそれを彩るのは物語を通して伝えたいと考えてる『メッセージ』である。
 そうなると登場人物は必然性で成り立つので、この物語の場合では書いているのは『主人公の価値観』でありそのための『苦悩』。

 その苦悩を描くためには何が必要なのか?
 『向き合うべき苦悩』=象徴としての元カノ愛美。
 『苦悩のあり方と解決の道を示す』=今カノ結菜。
 と言う構図になる。
 
 そのため結菜と結愛は同じ人物をモデルにしてはいるが全く別物となってしまったわけだ。
 面影はすこしあるけれどね。
 自分の価値観というのが周りに理解されなくてもそれを大切にする人でした。

 この物語を書いていると学ぶことが多い。
 小説とは体験や知識、思想、想像でできたフィクションである。
 では体験をどう取り入れるのか? 
 今までなら事実に忠実であるべきと思ってしまっていた部分だが、『芯』という部分を取り入れば事実とは全く異なっていても『伝えたいことが伝えられる』と言うことに気づいた。

 登場人物と言うのは伝えたいことの象徴でしかない。
 その人物が何をどう考えているのかが大切なのではなく、自分がどんな思想を持ち何を言わんとしているのかが大切と言うこと。
 小説とはその為の表現法の一つでしかない。

 さていつも通り、主題と大幅にズレた話から始まったが自分にはどうしても納得いかないことがある。
 それは更新速度。
 俺は社会人であり、ちゃんと会社に通って労働しています。
 なので一日時間が使えるとかではない。
 それでも数作を同時進行し、体調が悪いとかでなければ毎日7000文字から8000文字更新することはたやすい。できて当たり前。ストックはしたことがない。

 たぶんストックしないからこそ書けるんだと思うのね。
 ストックして時間短縮になるのは食材や日用品くらいだと思う。
 
「ストックしなきゃ」
 という考え自体が更新を妨げる要因の一つになると思うの。
 できないときは焦るでしょ?
 書きたい気持ちで書いている時は筆も乗るし、早く書けると思うんだよ。
 つまり俺が書くのが速いのは単に【執筆ストレスゼロ】だからだと思う。
 そして、何作も同時に書いているから。

 書くべきものがいくらでもあれば、困ることがない。
 ”続き、どうしよう”とならない。
 あとはね、書いている作品ごとに聴く音楽を変えているからだとも思う。
 これに関しては作品紹介の方に作業BGMを記載していこうと思っている。
 実のところキャラごとにイメージ作業BGMもあるんだよね。

 書くのが速い人というのは、単に時間のロスがないだけだと思うの。
 だから俺は書く速さが異常だと思われていても、自分ではこんなの誰にでもできるとしか思っていない。
 みんなやり方を知らない、もしくは落ち着いて書ける環境にないか。
 どちらかである。
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