打ちのめされ、目標を諦めた日

文字数 910文字

 人は表面しか見ていない。
 だから他人を理解できない。
 俺もきっと、理解してあげられるのは『最愛の片割れ』のことだけだと思う。

 俺とアイツは性趣向も考え方も違う。
 俺は全性愛者(パンセクシャル)、アイツは異性愛者。

 2021年9月。
 自分を支えきれなくなった。
 それでも企画が終わっていなかったから、アイツが代わりに遂行してくれることになった。
 俺とアイツのレビューの書き方は違う。
 そして理解の速度も違う。
 
 レビューに関しては効率を重視するのはアイツであり、俺は作品によって項目を変える。
 簡単に言えば項目に関しては量販型のアイツとオーダーメイド型の俺。
 だから書く速度も格段に違う。
 書きやすい項目で書いていくアイツは、1か月に65作とか平気で書くことが可能。
 俺は1日に一作書くのがやっと。
 ただ好きな作品に書いているのとは違うので(ファンではない)、そんなに時間は使いたくない。

 それでもレビューを書くこと自体には、誇りを持ち命を削り、魂で書いてきた。
 熱はなくとも、どうしたら読者に作品の良さが伝わるのか考えて書いてきた。

 だが読者レベルが低い限り、俺の努力も考え方も意図も伝わりはしないだろう。
 世の中の70パーセントはバカなので、伝わらなくても仕方ないと諦めるしかなかった。
 どんなに作者が俺の意図を組んで、深く読んでくれると賞賛してくれようが、アイツのレビューの方が評価を受けるのが現状。
 所詮、作られた存在である自分は『平等の理念』により理想を貫くことが出来たとしても、主人格である人間には勝てないのだと思った。

 だからレビューを書くことはやめた。
 バカバカしいから。
 俺は自分のやりたいことを優先することにしたのだ。
 俺はそもそも作品を書くために小説投稿サイトに登録しただけ。
 仕事もしているが1日に6,7作は更新できる。
 だって好きだから、自分の世界が。

 そこにはユートピアがある。
 バカはいないし、理解してくれないと嘆くことはないし、打ちのめされることもない。
 1日に11作更新出来る人がいないなら、どんなに不人気作品であろうが更新速度だけは頂点になれる。

 俺は何かの一番になりたい。
 それがレビューでなくても。
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