相棒の感想『14話から16話まで』

文字数 1,803文字

 14話『まばたきの叫び』感想

 通り魔事件を起こした元受刑者を巡るものがたり。
 この元受刑者は確か受験に失敗し、ちょうどその辺にいた子供連れの母親を刺し殺し服役していた。その服役期間が終わりに差し掛かったころ、倒れて寝たきりとなる。
 その妻に亀山薫の妻、美和子が取材に行き、事件に巻き込まれ展開されていく。
 ここでヘルパーが殺されるのだが、事件を追っていくと意外な事実が明らかに。

 今回のストーリーで感じたのは、罪を犯せば確かに刑は科せられる。その刑期を終えれば罪を償ったことにはなるが誰がそれで救われるのか? いつもそう思うんだよね。期
 例えば性犯罪。強姦された側は心が殺されるのと同じ。それなのに刑期を終えたから許されるというのはオカシイと感じるし、殺人に至っては刑を科せられたからと言って死んだ人は生き返らないよね?
 それって本当に何か意味はあるのかなって思うんだよ。しかも税金を使って生かしておく必要はあるの?
 性犯罪は再犯するからという理由ではなく、強姦とは相手の意思を無視しているということ。それは相手を人間扱いしていないということだよね?
 人間扱いしていない人を人間扱いする必要はあるのか? 
 動物的な奴は死刑で良いと思うのよ。
 そんなことを思うわけだけれど。ここではその事件に間接的に関わってしまった人がずっと自分を責めて生きてる。彼女が許せないのは殺人犯ではなく、自分なんだ。巻き込まれる原因となってしまった自分。
 こういう話を見ると、事件の遺族が本当に憎んでいるのは自分自身なのかなとも思った。
 もしかしたら救えたかもしれない。それで自分を責め続ける。そして犯人を憎むことでようやっと立っていられる。そういう人たちはどうしたら救えるのだろうか?
 そんなことを考えさせられた。


15話『薔薇と髭と薫たち』感想
 これは薫ちゃんがゲイバーのヒロコママと再会するところから始まり、そこである男性の遺体を見つけてしまう。そしてその人物が持っていたのは妻のサイン入り小説だった。

 これねえ、偏見について凄く考えさせられたんだよね。
 ここでは貧困により戸籍を売る女性が出たり、貧困者をターゲットにあくどい商売をする人が出てきたりする。社会問題にも踏み込んではいるが、多様性否定について凄く考えさせられた。
 アルファポリスなんかでも女性向け男性向けなどという項目をね、作品作成の時に指定しないといけないわけ。多様性を認めましょうなどと言っているこのご時世にだよ?
 そういう偏見って人を傷つけることがわからないのかな? って凄く思うのよ。
 偏見こそが人を苦しめ、追い詰めるんだよ。
 TwitterなんかでもめているLGBT法案は非常におかしいけれどね。LBGTは差別ではなく偏見を受けているだけ。何かが間違っていると思う、政府は。
 ここでもね、男はこう。女はこうっていうものを押し付けられている。
 イメージで人を決めつけるのは間違っていると思うのよ。そんな考え方をしているからいつまで経ってもTV業界は昭和なんだろうね。
 相棒は凄いなって思う。時代と共に進化している。


16話『女神』感想
 これはちょっとびっくりだったけど。
 亀山夫妻、離婚の危機から始まり、ある山奥の洋館にいくことになる。
 カウンセリングを受けにね。
 一方捜査一課の三人はある事件の犯人を追っていた。

 薫ちゃんだけが真実を知らずに物語は進んでいく。
 彼は熱血で純粋でデリカシーはないけれど、優しくて天然なんだよね。
 どう見てもブチギレの美和子を見て、あの男に気があると思えるところに笑う。
 改めて薫ちゃんの魅力に気づく回でもあったんだけれど、物語自体はとても悲しいストーリーだったよね。この脚本でどんなメッセージを伝えようとしていたのかわからないけれど、幸せは金で買えないものだと思うのよ。幸せのために金を使うことはあっても。
 特に恋愛においては『あなたの代わりなんてどこにもいない』ものだと思う。
 代わりがいるくらいの好きならそれは、ただの自己愛。

 恋愛の形は相手によって変わる。自分に合う人はもしかしたらいくらでもいるかもしれない。
 でもその人と作れる形は一つしかないものだと思う。
 愛っていうのは誰にでも持てるものではないんだよ。誰にでも人を愛せるわけでもない。
 だからこそ、心から愛した人と一緒になれる世の中であって欲しいと願う。

 
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