自問自答する午後

文字数 1,289文字

 自分はボタンを掛け違えていることを知りながら、見守ると言う選択をしたけれど言い換えれば放置と同等。
 つまらなそうだなと感じている相手に対して、気づいて欲しい気持ちとこのまま離れていくのもありかもしれないという気持ちがあった。
 何故なら、自分には他に好きな人がいたから。
 その人は恋愛は無理というようなことを言っていたから、諦めなければならないという気持ちがあって。他の人を好きになりたいと思っていた自分は、『好きかも』と言われて簡単に心が動いてしまった。

 でも、それは後ろめたい気持ちを増長するだけで何も良いことを齎さなかった。
 塩対応というのとは違うのかもしれないけれど、毎日素っ気ない返答しかしない彼女にため息しか出ない日々を送っていた。俺にとって時間を作ることは愛情そのものなんだよ。
 当時、めちゃくちゃ忙しかったし。
 
 別れ話をした時、長いメッセージを貰ったよ。
 そんなに不満しかないのに、なんのために一緒にいるんだろう? って思った。不満しかないなら俺は何のために頑張って時間作ってきたのだろう? と思った。
 時間は命と同等。命を削れる相手は特別なんだよ。

 何もわかってくれない人なんだと思った。
 恋愛もの読めよって言ったこともあるよ。
 楽しそうにしてくれているだけで嬉しいって気持ちを理解して欲しかったから。
 でも、恋愛ものは嫌いという一言で片づけられたよね。
 好きって言うのは、相手を理解したいってことじゃないのかなって俺は思うの。

 その後、凄く頑張ってくれていたけれどそういうことじゃないんだよってずっと思っていた。
 好きだなと感じている相手に素っ気なくされることが、どれだけ打ちのめされることなのか理解して欲しいと思った。それを理解したいと思えないのは、やっぱり好きじゃないんだよって。

 だから、心から理解したいと思う相手と結ばれて幸せになってくれたらいいなと思った。
 彼女は努力家だから、そんな風に分かり合いたいと心から思える相手とならきっと幸せになれる。まあ、しばらくして恋人ができたことを知った時、ショックな気持ちもあったけれど良かったと思ったよ。
 俺の片割れはブチぎれてたけどねw

 だってそれは俺が望んだ結末なんだしさ。
 結構酷いことばかり言っていたから、嫌われていても不思議はない。

 自分は何に関しても、あまり読まれたいと感じたことはないんだよね。
 読みたいという気持ちで読むなら止めないけれど、興味がない人が読んだところで面白いことなんて何も書いてないし。

 何読んだって、苦悩と後悔しか書かれていないはずだし。コメディ以外はさ。
 とは言え、後悔してやり直したいと思うことは稀。だっていつだって、自分の望んだ結果になるんだから。そうでしょう?
 間違った選択をした。でも俺は衝動的にその選択をすることはない。
 先のことも考えてはいる、結果だって見えてる。 
 悩んだ末に選択して、やっぱりこの選択は辛いと後悔はする。でも、仕方ないんだよ。
 仮に違うルートを選んでも、幸せな未来を想像できなかったのだから。

 ずっと午後はあの子のことを考えていたのでした。
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