3.エルサレム

エピソード文字数 1,008文字

エルサレム。

21世紀においても何かと話題の地だね。

王となったダビデは先住民のエブス人を追い払ってエルサレムに都市を造った。

以降、ここはイスラエル王国の中心となるんだ。

そして後にユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地となるのさ。

ちゅうかめっちゃ近いやん。

特にユダヤとイスラムはお隣さんやんけ。

ユダヤ教の聖地「嘆きの壁」

ここはヘロデ大王時代にあったエルサレム第二神殿の残骸だね。

キリスト教の聖地「聖墳墓教会」

イエス・キリストが処刑され、埋葬され、復活したとされる場所に建てた教会だよ。

正教会では「復活教会」とも呼ばれるんだ。

イスラム教の聖地「岩のドーム」

メッカの「カアバ神殿」が第一、サウジアラビアの「預言者のモスク」が第二。

ムハンマドが昇天したとされる「聖なる岩」は第三の聖地なのさ。

場所なんていくらでもあるでしょうに、よくもまあせせこましく。
長いこと重要な都市で人も集まってたんやろな。

人が集まればそら色々やで。

エルサレムに宮殿を建て、ダビデは大勢の子供を得た。

その中にはビヨンデッタの嫌いなソロモンもいる。

別に嫌ってはおりませんことよ。

ただ、顔を見たくないだけ。

ダビデはイスラエルの王となり、ペリシテ人と戦ってこれを打ち破った。

また、神の櫃(ひつ)をエルサレムに運び入れた。

その時ダビデは喜び、神の櫃の前でくるくると踊った。

裸のおっさんがめっちゃ楽しそうにしとるやん。
1985年の映画、『KING DAVID』の一場面だね。

この裸のおっさんはリチャード・ギア演じるダビデ。

それを冷たく見つめているのがシェリー・ルンギ演じるミカルだよ。


ちなみにこの映画、さほど評判にならなかった。

ニューヨークタイムズでは「良くはない映画(not a good film)」と書かれてしまう。

アカデミー賞の前に「最低」の映画を選ぶゴールデンラズベリー賞。

リチャード・ギアは最低主演男優賞にノミネートされてしまった。

賞は惜しくもシルヴェスター・スタローンに持っていかれたけどね。

そういうのも「惜しい」言うんか?
悪魔ですもの。

どいつもこいつも、ひねくれものばかり。

踊って、お祈りをして、民を祝福する。

そんなダビデを見て、妻のミカルは「何と威厳があったことでしょう」と言う。

裸で踊るダビデを恥じて皮肉で言ったんだ。

対するダビデはいかに下賎に見えようとも構わないと返した。

先王や妻に見下されたとしても、民衆の支持を得ることが大事だと言ってね。

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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