6.デルタ・リズム・ボーイズの黒人霊歌

エピソード文字数 1,409文字

デルタ・リズム・ボーイズはアメリカの黒人歌手グループ。

1934年から1987年にかけて50年以上活躍した。

黒人霊歌とは「黒人が関与した宗教的な歌」というくらいの意味ですわね。

ここではキリスト教に関する歌のことかしら。

そんなところだね。

彼らはブロードウェイや有名なラジオ番組で活躍した実力派だ。

例えば「ジェリコの戦い」という曲は『ヨシュア記』の物語を歌ったものだ。

『ヨシュア記』第6章21節

彼らは、男も女も、老いも若きも、牛、羊、ろばに至るまで、

町にいるものはすべて、剣の刃にかけ、奉納物として滅ぼし尽くした。

そういや、そんな話もあったなあ。

娼婦のラハブが手引きして勝ったやつや。

しかもそのラハブはイエス・キリストの系図に載るんやったな。

「ジェリコ」は英語読みで、日本の聖書では「エリコ」と言う。

そして彼らデルタ・リズム・ボーイズのヒット曲が「デム・ボーンズ」

『エゼキエル書』にある「骨の生き返り」についての歌なんだ。

主の手がわたしの上に下った。

主はその霊によってわたしを連れ出し、とある谷のただ中へと導いていかれた。

そこは骨に満ちていた。

わたしは命じられたとおりに預言した。

預言していると、突然カタカタという音がして、骨と骨が互いに近づき合った。

ひえっ。

骨が動いとる。

面白い見世物ですこと。
実際、想像してみると愉快だよね。

エゼキエルが見ている前で骨が集まり、肉と皮がつけられた。

でもそれではまだ生き返ったわけではない、ただの肉の塊だ。

そこで神は「息よ、四方から来たれ」との預言を授けた。

エゼキエルがそれに従って預言すると、骨は生き返って立ち上がった。

これは何かの隠喩っぽいな。

たぶん、イスラエルの復興とか。

その通り。

神はこの後「これらの骨はイスラエルの家全体」だと言った。

イスラエルの繁栄と回復、その象徴というわけさ。

その場面をコミカルに歌い上げたのが彼ら。

先に語った、デルタ・リズム・ボーイズだ。

ラッツ&スターかな?
まあ、その源流の一つとは言えるかな。

今どきは黒塗りフェイスもNGだからやるせないけど。

それで?

「デム・ボーンズ」とはどういった曲なのかしら。

Ezekiel connected dem dry bones,(エゼキエルは乾いた骨たちを繋ぐ)

Ezekiel connected dem dry bones,(エゼキエルは乾いた骨たちを繋ぐ)

Ezekiel in the Valley of Dry Bones,(エゼキエルは乾いた骨の谷にいる)

Now hear the word of the Lord.(さあ聞いてくれ、神の世界を)

Toe bone connected to the foot bone(つま先の骨は足の骨に繋がった)

Foot bone connected to the heel bone(足の骨はかかとの骨に繋がった)~♪

楽しそうな雰囲気の曲やな。

骨が集まるとかおどろおどろしいのに。

全然雰囲気ちゃうやん。

まあ、悪くありませんわね。

サタニャエルの歌がさほど上手でないことを差し引けば。

悪かったね、へたくそで。

本物が聴きたければYoutubeで検索すればいいよ。

確かに骨が集まるなんて絵的には怖いかもしれないね。

けれどここはイスラエルの復興を表す場面だ。

気分的にはデルタ・リズム・ボーイズばりのうきうきだったのかもよ。

The Delta Rhythm Boys - Dry Bones
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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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