8.支配者への服従
文字数 1,884文字
神に由来しない権威はなく、今ある権威はすべて神によって立てられたものなのです。
したがって、権威に逆らう者は、神の定めに背くのであり、
背く者は自分の身に罰の宣告を招きます。
「パウロ書簡でこの節(1-7)ほど乱用された箇所も少ない」
英国の神学者ジョン・バートンと司祭ジョン・マディマンによるコメントだ。
(Barton, John, and John Muddiman, eds.
The Oxford Bible Commentary. Oxford University Press, 2007, 1104.)
しかし実際のところ、アメリカも一枚岩ではなかった。
イギリスを支持した人たちもいて、彼らはロイヤリスト、英国王党派と呼ばれた。
対する勢力がパトリオット、革命派さ。
実はつい最近、またもアメリカで引用されて話題になった。
2018年のトランプ政権で、不法移民が取り沙汰されている時期のこと。
「子供を家族から引き離すのか」という批判に対する反論で使われたんだ。
(意訳)
使徒パウロによるロマ書第13章の明瞭かつ賢明な展望を引き合いに出そうと思う。
統治における法に従うべしとは、神が秩序を保つために定めたものなのだ。
(The Gurdian "Sanders uses Bible to defend Trump's separation of children from families at border" 参照)
ジョージ・メイソン大学助教授のリンカーン・ミューレンは「諸刃の剣」だと批判した。
立場を変えて見れば法が相応しくないということに過ぎない。
結局のところロマ書第13章は、為政者の立場で都合よく引用されているのさ。