天使と悪魔の聖書漫談

4.バベルの塔

エピソードの総文字数=695文字

かつて世界は皆同じ言葉を使っていた。

人々は煉瓦とアスファルトで天に達する塔を建てようとした。

そこに神様が降りてきて、言葉を乱し、互いの言葉が分からなくなるようにした。

そして人々を全地の面に散らした。

神様ええかげんにせえよ。
(ひょっとしてもう、とっくに堕天してるんじゃ……)
世界中の人が同じ言葉を使えたら、もっと協力し合えて発展も早かったんやろか。
どうだろうね。

言葉が通じても理解し合えないなんてざらだし。

効率は良いから多少の早まりはあったかもしれないけどね。

ただ、文化的な摩擦が新しい文化を生み出すこともある。

何だって一概には言えないよ。

人々は町を建てるのをやめた。

それでその名はバベルと呼ばれた。

「バラル」(混乱する)に由来して「バベル」と呼ばれるようになったんだ。

バビロニアでは「バベル」は「神の門」、「バビロン」は「神々の門」なんだけどね。

バビロニア?

ギルガメシュとかが出てくるやつか。

そう。

『ギルガメシュ叙事詩』の断片の解読が最初に発表されたのは1872年のことだけど。

この発表が西洋世界に与えた衝撃は日本人には想像し難いものがあるんだ。

衝撃?

まあ、確かにあの金ぴかの登場は衝撃的やったな。

そっちじゃない。

実は『ギルガメシュ叙事詩』にも洪水伝説が描かれているんだ。

その内容が聖書の洪水伝説にとても似ていることが問題だった。

聖書よりも古い記録に聖書に似た内容がある。

つまり、聖書はそれを模したもんやないか、ちゅうことか。

ご明察。

事は自分たちの起源に関することだからね。

根底を大きく揺さぶられたことは想像に難くない。

ともあれ、聖書に関してバビロニアの影響は無視できへん。

ちゅうわけやな。

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