天使と悪魔の聖書漫談

8.ユダの女王アタルヤの死

エピソードの総文字数=1,269文字

ユダ王アハズヤはイスラエルのイエフにより殺された。

そのため、アハズヤの母であるアタルヤがユダの女王となった。

ユダ王国の女王はあとにも先にもアタルヤのみである。

とても美しい絵だ。

18世紀のフランスで活躍した画家、チャールズ・アントワン・コワペルの作。

中央に座る女性がユダの女王アタルヤ。

その右に立つのはアハズヤの子ヨアシュだろうね。

確かに綺麗な絵やけど、女王様なんかしかめっ面になってへん?

自分の孫のこと嫌ってそうな感じするんやけど。

このアホガキめ……。

そんな感じの表情でしてよ。

それは聖書に描かれた彼女のキャラクター性によるものだ。

アハズヤの死を知った彼女は、あろうことか王の血筋を滅ぼそうとした。

はあ?

自分の孫やで?

それは……。

何かの間違いではなくて?

そう主張する人もいる。

アタルヤは悪人に仕立て上げられただけだってね。

正直なところ、僕もその意見に賛成だ。

動機が無いどころか、普通は愛する息子の忘れ形見を守ろうとするものだろう。

せやけど、証拠は無いんやな。
新しい石碑とか、死海文書クラスの発見が無い限り反証は不可能だろうね。

聖書ではアタルヤはイゼベルを上回る極悪人として描かれている。

アハズヤの姉妹であり、祭司ヨヤダの妻ヨシェバ。

彼女がアハズヤの子ヨアシュを匿ったため、ヨアシュはアタルヤに殺されなかった。

祭司ヨヤダは、バアルを信奉するアタルヤを良く思っていなかった。

そして彼の妻がアハズヤの忘れ形見を手元に置いている。

王の血筋をどのように利用すれば良いかは誰にだって分かる話さ。

まあ、なんとなくきな臭いもんは感じるわな。

せやけど証拠はなんもない。

その通りさ。

そして現代のイスラエルにおいて、アタルヤの名は忌み嫌われている。

子供の名になることはめったにないらしい。

祭司ヨヤダはアハズヤの子ヨアシュに王の徴(しるし)を与えた。

女王アタルヤは「反逆だ!」と叫んだ。

ヨヤダの命を受けた兵士たちはアタルヤを神殿の外に連れ出して殺した。

国の民は新たな王の即位を喜び祝った。

町は平穏であった。

アタルヤが殺されたからである。

聖書に書かれている。

女王アタルヤが死んだから町が平穏だと明確にね。

逆に言うたら、アタルヤが生きとったら不穏やっちゅうことか。
完全な悪役ですわね。
そしてヨアシュは7歳で王になった。

小さな子供の王なんて、大抵が飾り物に過ぎない。

実質的な権力者は祭司ヨヤダだったろうね。

王ヨアシュは祭司たちに献金として集まった金で神殿を補修するように言った。

しかしその約束は23年もの間放置される。

23年もの間、王の命令を無視出来る祭司たち。

けっこうなご身分ですこと。

業を煮やしたヨアシュは、金銭のルートを変えた。

そもそも祭司の手元に行かないようにしたんだ。

これによって神殿の修理はうまく進むようになった。

賢明な判断やな。
ただし、賠償や贖罪の献金は神殿に納められず、祭司たちのものになった。
愉快だわ。

いつの時代も、どこの世界でも、坊主は強欲なものと決まっているのね。

ヨアシュは最終的に、家来の謀反によって死んだ。

ヨアシュの子アマツヤが次の王となる。

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