8.エルサレム陥落

エピソード文字数 1,222文字

エルサレムは陥落し、ユダ王はバビロニアに引き渡される。

エレミヤの預言の成就が近づいていた。

しかし追い詰められた王たちはむしろ頑なになっていく。

エレミヤは神殿に近づけないようにされていた。

それでもめげず、バルクという代理人を遣わして預言を伝えた。

(ユダの高官たちがバルクを通じてエレミヤの預言を聞く)

「わたしたちは、これらの言葉をすべて、必ず王に告げなければならない」

「行って、あなたもエレミヤも身を隠し、誰にも居場所を知られないようにしなさい」

優しい人らやな。

怖い預言に王様が怒ってまうんちゃうかと心配したんやろ。

この時のユダ王はヨヤキム。

彼はユディという人物に預言の巻物を取りに行かせた。

ユディはそれを王の耳と、傍らに立つ高官全員の耳に読み聞かせた。

ユディは三行か四行読むと、彼はそれを小刀で切り裂いて火鉢の火の中に投げ入れ、

巻物はすべて、火鉢の火になめ尽くされた。

巻物を燃やせば無かったことになるとでも?

まるで子供のような真似をなさいますこと。

彼の後、子のヨヤキンがユダ王となった。

けれどヨヤキンは治世3ヶ月でバビロニアに移送されてしまう。

そして代わりに王となったのがゼデキヤだった。

ユダ王ゼデキヤはエレミヤに祈りを捧げるように依頼する。

しかしエレミヤは今までと同じように厳しい言葉を返す。

見よ、お前たちを助けるために進軍しているファラオの軍隊は、自分の国エジプトに戻る。

カルデア人が戻ってきて、この町を攻撃し、これを取り、火で焼き尽くす。

こんなこと言うて、また危ない目に遭いそうやな。
エレミヤは用あってベニヤミンの地に向かう。

するとそこにイルイヤという警備隊長が現れてエレミヤを捕らえた。

エレミヤがカルデア人のもとに行くのではないかと疑ってね。

濡れ衣……。

戦争に付き物のスパイ容疑ですわね。

当初エレミヤは書記官ヨナタンの家に監禁された。

しかしユダ王ゼデキヤはそこからエレミヤを連れ出した。

エレミヤに主の言葉を確かめるために。

エレミヤは言った、

「ありました。あなたはバビロンの王の手に渡されます」。

悪い預言を伝えて、その上でヨナタンの家に戻さないでほしいと頼む。

そうなると自分は殺されるという予感があったんだろうね。

事実、高官たちはエレミヤを死なせようと画策する。

彼らは王を説得し、エレミヤを泥しかない水溜めに閉じ込めた。

そこで飢え死にさせようとしたんだ。

万事休すやんけ。

今度こそ神様が助けてくれるんか?

残念ながら今回も神は手を差し伸べない。

クシュ人の宦官エベド・メレクという人物がエレミヤを救出した。

エレミヤは敵だけでなく味方も多いようですわね。
その後、またも王ゼデキヤはエレミヤを召喚した。

そして主の言葉を確認する。

エレミヤはバビロニアへの降伏を勧める。

しかし王はそれを受け入れず、ただエレミヤを解放した。

その後は歴史が示す通り。

エルサレムは陥落。

ユダ王ゼデキヤは両目を抉られ、青銅の足枷をはめられ。

そして、バビロニアに連れていかれた。

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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