2.ペリシテ人との戦い

エピソード文字数 1,102文字

イスラエルはペリシテ人と戦うために進軍。

エベン・エゼルの近くに陣を敷いた。

ペリシテ人はアフェクに陣を敷き、戦いに備えた。

エベン・エゼルやアフェクがどこにあるか。

色々と説が出ているけれど、これというのは見当たらない。

ともあれ、エルサレム周辺の出来事ということは分かっている。

なんや、また戦争おっぱじめる気か?
聖書は戦いの記録だね。

争いは無くならない。

と言うより、あって当たり前の感覚かな。

ちなみに現代、パレスチナという言葉は「ペリシテ人の土地」という意味なんだ。

古代ペリシテ人と今のパレスチナ人に繋がりがあるかどうかは不明だ。

けれど、根深い因縁を思わざるを得ないね。

それで戦争はどうなったのかしら?
イスラエルの惨敗さ。
ペリシテ人はイスラエルの神を恐れた。

しかしそれゆえに奮戦したと書かれている。

大祭司エリはこの戦争で二人の息子を失った。

イスラエルは戦争に敗れ、神の櫃(ひつ)は奪い去られた。

息子の死、神の櫃の紛失を聞いた大祭司エリは椅子から倒れ、首を折って死んだ。

神の櫃?
契約の箱のことさ。

十戒が刻まれた石版が収められている。

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』

そのアークのことと言えば分かる人には分かるかな?

インディ・ジョーンズシリーズの一作目ですわね。

蛇の嫌いな冒険家。

彼が僕を嫌いでも、僕は彼が好きだけどね。
ペリシテ人は神の櫃を奪い、アシュドドに運んだ。

神の櫃をダゴンの宮に運び入れ、ダゴンの傍らに安置した。

ダゴンは主の櫃の前に、うつぶせになって倒れていた。

その頭と両手は切り取られて敷居の上にあり。

胴体だけが残っていた。

仲の悪い神を一緒にすれば、喧嘩して当然でしょうに。

信仰の薄い日本人でも、分霊(わけみたま)はもう少し慎重ですわよ。

神の櫃はペリシテ人に病を流行らせた。

腫れ物の病で、おそらく線ペストだろうと言われている。

イスラエル人にとっては聖なるものでも、ペリシテ人には呪いのアイテムさ。

これはもう耐えられないといって、イスラエル人に返すことにした。

それがええわ。

うちやったら、そんなん関わりとうもないからな。

ミカちゃん、もう自分が天使の自覚無いよね?
そんなことあらへんで?

神様はうちのボスやからな。

上司の陰口叩くんは部下の嗜みみたいなもんや。

お姉さま、さすがですわ。
怒られても知らないよ。
ペリシテ人たちは神の櫃を返すにあたり、捧げ物も添えることにした。

彼らの祭司や占い師たちがそうすべきだと言ったらしい。

勝者が敗者に捧げ物を渡すのも変な話だけどね。

何にせよ、神の櫃、すなわち契約の箱は戻ってきた。

イスラエル人がやられたままで済ますわけあらへん。

次回あたり、サムエルが活躍しそうな気ぃするで。
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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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