天使と悪魔の聖書漫談

16.神様怒りて民を殺す

エピソードの総文字数=1,175文字

毎度、毎度、この神様は……。
(ミカちゃんが闇堕ちしそう……)
イスラエルの民がアロンに「神々の像」を造ってほしいと願った。

モーセが見当たらない不安を紛らわせようとしたのだ。

アロンは彼らから金細工を集め、それを溶かして雄牛の像を取り出した。

民はその像の前で飲み食いし、戯れた。

ああ……。これあかんやつや。
「わたしのほかに何ものをも神としてはならない」

「自分のために偶像をつくってはならない」

そういう約束をもう忘れてしまったんだね。

ただこれは仕方ない面もある。

十戒を定めて日が浅いとなると、周知徹底は難しかったろう。

知らずに従来の神様を拝んだという可能性もある。

せやけど、神様はそんなん知らん言うて怒るやろなあ。
神様はモーセに言った。

「私の怒りは彼らに対し燃え上がっている」

「私は彼らを滅ぼす」

やっぱりなあ。

でもせっかく助けたのに滅ぼしたら、聖書終わってまうやないか。

それだと困るからね。

この場はモーセがとりなして、なんとか神様に考え直してもらった。

でも神様の代わりに、モーセ自身が怒りをぶちまけるんだ。

その怒りは神様自身の怒りでもある。

レビの一族はモーセの同族である。

モーセはレビの民に神様の言葉を告げた。

「剣を持ち、各々自分の兄弟、友人、隣人を殺せ」

その日、3000人が倒れた。

ちょっと信じられへんくらい凄まじいな。

モーセのとりなし言うても、滅ぼしはせえへんってくらいか。

「隣人を愛せ」はよう聞くけど、「隣人を殺せ」は初耳やで。

ここで言う牛はたぶんオーロックスのことだね。

すでに絶滅した牛だけれど、当時は信仰の対象になっていたんだ。

ヘブライ人たちの元もとの信仰対象として、聖なる牛がいたんだと言われている。

そしてそれはウガリット神話における神々の父、エルと同一視されるんだ。

エルか。

ロトの息子でオナンのお兄ちゃんも確かエルやったな。

不思議と好感が持てる響きやけど、なんでやろか。

「○○エル」っていう、天使の名前の由来だからじゃないかな。

ELは神様の意味だからね。

例えばウリエルって天使は Uriel から U-Ra-El と分解される。

これは 宇宙-太陽-神 を表しているんだ。

なんや、ウリ坊、そないに偉い奴やったんか。

今度いじったろ。

神様はモーセに告げた。

「お前と民は諸民族を追い出し、乳と蜜の流れる土地に上れ」

「わたしはお前とともには上らない。お前を滅ぼすかもしれないからだ」

「身に付けている飾りを外せ。そうすればお前にどのようにするか考えよう」

イスラエルの子らはホレブ山以降、飾りを身に付けなくなった。

『出エジプト記』はこれでだいたい一区切り。

後は机や燭台の製作とか、幕屋の製作といった話が続く。

ウガリット神話のバアル(石の柱)やアスタルテ(アシェラ像)を倒せという神様の命令も下される。

ボロボロの状態やったのが、徐々に力を付けてきてる感じやな。

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