6.エステルの願いとハマンの思惑
エピソード文字数 1,093文字
その一人に優雅に寄りかかり、他の一人には裾を持たせて後ろに従わせた。
美の極みにあり、その顔は愛らしく幸福に見えた。
しかしその心は恐怖に満たされていた。
エステルは全ての扉を通り抜けて王の前に出た。
ペルシア王クセルクセスは怒りに満ちた目で彼女を見つめた。彼の威光に王妃はよろめき、気を失って侍女に倒れ掛かった。

法律は一般の民にのみ向けられるので、エステルが死刑になることはないと。
エステルはクセルクセスを称えて、また気を失った。
王は困惑し、お付きの者たちは王妃を元気付けた。