天使と悪魔の聖書漫談

5.ソロモンの罪と死

エピソードの総文字数=1,109文字

ソロモンが年老いた時、外国人の妻たちによって心を他の神々に向かわせられた。


シドン人の女神、アシュトレト。

アンモン人の忌まわしいもの、ミルコム。

モアブ人の忌まわしいもの、ケモシュ。

アンモン人の忌まわしいもの、モレク。


主はソロモンに対してお怒りになった。

あら。

給与係りのメルコムじゃない。

きちんと働いているのかしら。

彼はよくやってくれているさ。

悪魔は契約について、きちんとしないといけないからね。

コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』に書かれる悪魔メルコム。

彼は元々、ミルコムやモロクと同一視される神だよ。

ソロモンも異教の魅力には勝たれへんかったってことか。

それか、奥さんの要求を拒み切れへんかったんかな。

ここから得られる教訓は、数百に及ぶ外国人の美女を妻としてはいけない……。

といったところですわね。

それはそれは。

厳しい教えやなあ。

神は自分から離れたソロモンに怒った。

しかし父ダビデに免じて、彼自身をどうこうすることはなかった。

しかしソロモンの死後はイスラエル王国を分裂させるとしたんだ。
なんだ。

ソロモンの生きている内はお咎め無しというわけ。

もっと苦しむ様を期待しておりましたのに。

気に入らない奴は排除して、金銀財宝を我が物とし。

美しい女たちを1000人もはべらせて、後のことは知らないとばかりに死ぬ。

こんなやつは地獄行きだと後世の人々が思うのも無理ないね。
それがダンテ・アリギエーリの『神曲』では天国入り。

ずっと天国と地獄の狭間、煉獄をうろついていれば良いでしょうに。

これでは喜劇ね。

原題の『La Divina Commedia』に則り『神曲』ではなく『神喜劇』と訳しましょう。

お笑い芸人がやってる、あれっぽい響きがするね。
主はエドム人ハダドを起こした。

彼はかつてダビデの軍勢にほぼ皆殺しにされたエドム人の生き残りである。


主はエルヤダの子レゾンを起こした。

かつてツォバ王ハダドエゼルに仕え、今はダマスカスを支配しイスラエルと対立した。

イスラエルの周辺が活気付いてきたな。

ソロモンが老いて国力が低下してきたっちゅうことか。

敵は外だけじゃない。

内側にも不穏な空気が流れ始める。

ソロモンの優れた家来に、ヤロブアムという男がいた。

その彼に預言者アヒヤが接触し、主の言葉を伝えた。

曰く、イスラエルの10部族を従え、ソロモンにはユダ族とベニヤミン族だけ残す。

主によってヤロブアムが次のイスラエル王に選ばれた。

ソロモンは彼を殺そうとしたが、エジプトへと逃げられてしまった。

こいつら、危なくなったらとりあえずエジプト逃げとけ思うとるやろ。
下克上に国家の分裂。

面白くなってまいりましたわ。

ソロモンは死んだ。

レハブアムが代わって王となった。

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