8.バラムの歌

エピソード文字数 943文字

バラムを載せたロバは神様のみ使いに気付き、道をそれた。

しかしそのたびにバラムは鞭を打ってロバを道に戻そうとする。

それを3回続けると、神様がロバに人の言葉を話せるようにした。

ロバ「わたしが何をしたというのです。3回も鞭で打つなんて」
バラム「馬鹿にするな。剣があれば殺すところだぞ」
ロバ「わたしがあなたに対してこのように振舞ったことがありますか」
バラム「いや、なかった」
その時、神様がバラムの目に、み使いの姿が見えるようにした。

み使いはバラムを叱り、バラムは謝罪した。

そしてみ使いはバラムに「わたしがお前に語ることだけを告げよ」と言った。

ロバが……、しゃべった!?
いやいや、今さら驚くとこじゃないでしょ。
せやけど久しぶりやん。

聖書の中で動物がしゃべるんは。

蛇以来ちゃうか?

確かに珍しい場面ではあるね。

しゃべっていると想定して最初の絵を見ると、言い争っている感じが面白い。

ともあれバラムはバラクに歓待される。

そこでバラムはバラクの期待から大きく外れた行動を取ってしまう。

バラクとバラムって名前似ててややこいな。
バラムは声をあげて、イスラエルを祝福する歌を歌った。

バラクはバラムに言った。

「あなたは、わたしに何ということをしてくれたのですか」

バラムは答えた。

「私は神様の言葉を忠実に繰り返すのみです」

せっかく大枚はたいて歓迎しとるのにな。

これなら呼ばん方が良かったやろ。

だね。

そしてまだ歌は続くよ。

バラクはバラムに、イスラエルに呪いをかけるよう頼んだ。

しかしまたバラムはイスラエルを祝福した。

バラクは「呪わないのならせめて祝福しないでくれ」と言った。

バラムは「神様が告げることは全て行わなければならない」と返した。

ちょっとしたコントみたいになっとるやないか。
既視感、あるよね。
バラクは場所を変えて、イスラエルを呪うようバラムに願った。

しかし、やはりバラムはまたイスラエルを祝福する歌を歌った。

バラクはバラムに怒って言った。

「帰れ!」

あかん。

ちょっとわろてまう。

そしてバラムはすぐには帰らない。
バラムはイスラエルの民が、モアブを討ち滅ぼすと告げた。

そしてアマレク人、カイン人に向けても同様に滅ぶと言った。

その後、バラムは帰った。

バラクも帰った。

バラク、最後まで聞いとったんかい!
いい人っぽいよね。
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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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