6.水が血となり、蛙が這い出る(第1~2の災害)

エピソード文字数 840文字

頑迷なファラオを挫けさせるため、神様はエジプトにいくつもの災害を起こした。

モーセが神様の指示に従い、蛇の杖をナイル川に投げ込むと、水が全て血となった。

川の魚は死に、川は腐り、川の水を飲むことが出来なくなってしまった。

毎度のことやけど、えげつないことしはるなあ。
もっと先のことになるけど、『ヨハネの黙示録』でも水が血になるんだ。

第二のラッパ:海の三分の一が血になり、海の生物の三分の一が死ぬ (8:8-9)

黙示録か……。

中二病ちっくでええやないか。

(中二病って何だろう……)
神様の指示をモーセが聞き、それをアロンに伝えた。

アロンは従い、手をエジプトの水の上に伸ばすと、蛙が這い上がってきた。

蛙はエジプト全土を埋め尽くした。

ファラオはこれにまいり、モーセとアロンを呼んで伝えた。

蛙を取り除いてくれれば、イスラエルの民を自由にすると。

水が飲めないわ、蛙多すぎるわで、さすがにファラオも困ったろうね。

モーセとアロンに泣きついてきたわけだ。

蛙、食べたらええやん。
え……!?
???
ともあれ、モーセはファラオの願いを聞き入れたわけだ。

そこで神様に、蛙をどうにかしてくれと頼んだ。

蛙が帰るんやな。
いや……。

そこらじゅう、家とか畑にいた蛙は全部死に絶えたんだ。

いたるところに蛙の死体が山積みになって、ひどい悪臭だったらしい。

うへぇ。

そら、かなんなあ。

神様、アフターフォローがなっとらへんで。

ファラオは一息つく暇ができた。

するとまた心を頑迷にし、モーセたちの願いを聞き入れなかった。

喉元過ぎれば熱さを忘れる。

いざ蛙の問題が片付くと、約束を反故にしてしまったんだ。

いやいや、蛙の死体山積みで、息つく暇とかあらへんで。
そのへんの細かいところは下っ端の役割だろうからね。
ファラオが言うことを聞かないので、神様はさらなる災害を引き起こす。

第一の災害は水が血に変わることで、第二の災害は蛙の大量発生だった。

これが第三、第四と、第十まで続くんだ。

このレベルの災害があと八つもあるんか。

国、滅びてまいそうやな……。

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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