7.聖ロンギヌス
文字数 1,599文字
その時、聖所の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けた。
イエスの近く、その正面に立っていた百人隊長は、
イエスがこのように息を引き取られたのを見て言った、
「まことに、この方は神の子であった」。
英語で「Holy Lance」、中国語だと「命運之矛(mìng yùn zhī máo)」
ロンギヌスは日本のアニオタの多くが知る。
けれど、福音書の正典にその名は記されていないんだ。
戦士ロンギヌスは彼の槍を持ち、イエスの脇腹を貫いた。
するとすぐ、血と水が流れ出た。
『ピラトに宛てたヘロデの手紙』より
そしてライオンのいる洞窟に放り込んだ。
ライオンはロンギヌスが倒れるまで傷つける。
そしてライオンが離れるとロンギヌスは癒され、同じことが繰り返された。
(『The Other Gospels: Accounts of Jesus from Outside the New Testament』Bart D. Ehrman 参照)
ルイ16世やマリー・アントワネットをギロチンにかけたサンソンは有名だね。
彼の家系は拷問技術にも詳しく、それにより医術にも長けていた。
栄誉ある地位ではあったけれど、その存在を恐れられもしたのさ。
けれどそうした記録が残されているわけではない。
盲目という話も10世紀頃までされていなかった。
おそらく、聖槍に絡めて人物像が徐々に作られていったんだろう。